手動でのExcel・メール発注から自動発注システムへ。複雑な発注計算ロジックを実装し欠品ロスを削減

全国規模で飲食チェーンを運営するお客様の食材発注業務を、Webシステムとして構築したプロジェクトです。
店舗数の増加に伴い、Excelとメールで行っている発注業務では、閉店後の限られた時間帯での処理や発注数量の精度確保が課題となってきました。この運用の改善を検討する段階から、サンアットマークへご相談いただきました。
プロジェクト概要
| 企業名 | 全国展開する飲食チェーン事業を運営する会社様 |
|---|---|
| 業種 | 飲食業(多店舗チェーン展開) |
| 従業員数 | 従業員400名程度、アルバイト6,000名程度 |
| 課題 | Excelとメールによる手作業発注 深夜の発注締切まで手作業対応 発注判断の属人化と欠品リスク |
| ご支援内容 | 食材自動発注システムの要件定義・設計・開発 POS連携・本部向け集計機能・物流センター対応など、継続的な機能拡張 |
| 開発規模 | 約8人月(初期開発)問い合わせから約5ヶ月でサービスイン。 ※その後も継続開発 |
| システム構成 | CentOS・Apache・PostgreSQL・PHP |
導入前の課題
Excelとメールによる手作業の発注業務が、現場の業務負荷を高めていた
全国規模で展開する飲食事業では、各店舗の食材発注はExcelとメールで行うのが通常の運用でした。店舗数も増加する中、以下のような問題が顕在化し、発注業務のフローの見直しが必要となっていました。
- 各店舗で発注数量を手計算し、Excelに記入してメールを送付。本部での集約・確認にも手間がかかっていた
- 発注数量は各店舗担当者の経験によって判断されており、店舗数の増加に伴い判断基準の共有・標準化が求められることが増えていた
- 深夜営業後の限られた時間内(閉店から翌朝6時頃まで)に発注締め切りがあり、時間的余裕のない作業による締め切り遅延や誤発注も課題だった
- 繁忙期・季節変動による急激な消費増にも対応が難しく、欠品が生じやすい状況だった
発注業務のシステム化にあたり、現場の業務を起点に設計を進められる開発パートナーをお求めになり、サンアットマークにご依頼いただいた経緯があります。
支援内容
現場の知見を活かし、発注数量の自動計算基盤を構築
最初にお任せいただいたのは、食材発注業務の基盤となるシステムの構築です。
ご相談から約5ヶ月で、食材の発注数量を自動計算するWebシステムをサービスインし、Excelとメールによる手作業発注から、店舗・本部が同じ画面で発注業務を行える基盤が整いました。
開発においては、現場の担当者へのヒアリングとモックアップによるイメージのすりあわせを繰り返しながら、必要な機能をひとつひとつ整理していきました。
なかでも難易度が高かったのが、発注数量の計算ロジックの実装です。これまで現場で培われてきた「在庫の動き方」「発注サイクル」「シーズンごとの消費変動」といった判断要素を、ヒアリングを通じて洗い出し、システムが自動計算できる形に落とし込みました。
- 現場の発注判断をヒアリングと検証を重ねて標準化・プログラム化
- 自動計算された必要数量を担当者が確認・調整してから発注できる設計
また、システムの実行環境は、既存のオンプレミスサーバーを使用することが求められました。スペックに制約のある環境で発注数計算のバッチ処理を確実に完走させるため、処理をいくつかのフェーズに分解することでメモリ消費を抑える設計としました。
店舗での発注操作に充てられる時間をなるべく確保しつつ、仕入先へのデータ送信締め切りまでに確実に処理が完了するよう、繰り返し処理時間の計測・検証を行ってスケジュールを決定するなど、運用設計も支援させて頂きました。
POS連携と本部・店舗の一体管理で、発注の精度と運用を強化
その後も業務の変化や現場からの要望に合わせ、4つのフェーズにわたって機能を拡張してきました。POSとのデータ連携をはじめとする管理機能の追加と、運用データを踏まえた精度改善を進めました。
- POS連携:店舗のPOSシステムと連携し、販売実績を反映することで発注数量の計算精度を向上
- 本部向け集計機能:全店舗の発注状況・在庫状況を本部が一覧・集計できる機能を追加
- 発注漏れアラートメール:発注締め切り時刻までに発注が完了していない店舗を自動検知し、アラートメールを送信
- 近隣店舗の発注情報共有:急な需要増で特定商品が不足した際に、近隣店舗の在庫・発注状況を相互確認し、店舗間で融通できる機能を追加
- 棚卸機能の改善:棚卸の入力フローや集計処理の使いやすさを向上させ、在庫をより正確に把握できるように改善
POSの実績データと本部・店舗の情報を一つの仕組みで扱えるようになり、発注判断から日常の運用管理まで、店舗と本部の双方を支える体制が整いました。
物流体制の変化にも、店舗操作を変えずに対応
一部エリアで仕入先からの直接納品から物流センター経由の納品へと運用が変更された際にも、発注フローや集計・帳票出力など、物流センターを経由する運用に対応した機能改修を実施しています。
サプライヤーへの直接発注と物流センター経由の発注が混在する環境でも、店舗担当者の操作を変えることなく対応できるように設計しました。
導入後の効果
発注業務の自動化で、欠品ロスと担当者負荷を同時に解消
自動計算ベースの発注システムを導入したことで、これまで担当者の経験に頼っていた発注判断が標準化されました。発注数量のばらつきが抑制され、欠品ロスの削減につながっています。
深夜営業後に手作業でこなしていた発注業務は、必要数量の確認と承認が中心となり、担当者の業務負荷と心理的な負担が大幅に軽減されました。
段階的な機能拡張で、業務の変化にも継続して対応
初期の発注自動化からPOS連携・本部集計・物流センター対応まで、業務の変化に合わせて段階的に機能を拡張してきました。
現在は安定した稼働が続き、必要に応じたスポット対応のみで運用が継続されています。
要件整理から機能拡張まで。業務に根付いたシステム開発をご支援します
当社は、システムイメージが固まっていない段階からでもご相談いただけます。現場のヒアリングを通じて必要な機能の整理や、システム化に伴う業務再編イメージのご提案も可能です。
Excelやメールによるアナログな既存運用を見直したい、POSや基幹システムと連携した業務システムを検討したい方は、お気軽にご相談ください。
詳しくはお問い合わせください。


